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転職事例紹介 Vol.17

黒田真行さん ルーセントドアーズ株式会社 代表取締役

(プロフィール)
1989年4月株式会社リクルート入社。「リクナビNEXT」編集長、「リクルートエージェント」ネットマーケティング企画部長、株式会社リクルートドクターズキャリア(現・リクルートメディカルキャリア)取締役など、30年近く転職支援事業に関わる。1万2,000人を超える転職者・経営者・人事責任者への取材活動を通じて、転職活動の具体的ノウハウや心理的支援、日本の中途採用市場、マッチングの構造に精通。2014年9月、中途採用市場の積年の課題であった「ミドル世代の適正なマッチング」を目指し、ルーセントドアーズ株式会社を設立。

大手電機メーカーで海外拠点を長く経験してきた49歳の相談者。「大学の生き残り戦略を練る理事長の参謀役」という意外な可能性を提示し、マッチングを実現

自身の経験が活かせる同業界での転職を希望。しかし…

現在49歳のAさんと初めてお会いしたのは、昨年2月のこと。大手電機メーカーの海外現地法人で、副社長を務めているAさんは、穏やかで人当たりがよく、人格者という印象。「50歳を前に心機一転、新しい環境を目指したい」という思いを持っておられました。

Aさんはプラントメーカーを経て、第2新卒として今の会社に入社。技術者として家電の開発に携わった後、90年代前半から米国の現地法人に赴任。その後、いくつかの海外現法を経験し、経営管理や業務戦略立案、企業M&Aなど、経営管理畑において幅広い業務に関わっておられました。なお、転職理由について、ご本人は「今の会社ではあらかたの仕事をやり切った感がある」とおっしゃっていましたが、業績不振にあるA社は海外拠点の統廃合を進めており、先行き不安を感じておられるのではないかとも推察されました。

その直後、Aさんは海外子会社の再編という重要なミッションを任されることになり、いったん転職活動は中断。1年近く間が空きましたが、昨年末に「業務がひと段落したので、本格的に転職活動を始めたい」と連絡をいただき、改めてAさんの「転職先に対する条件」をじっくり伺う時間を設けました。

当初、Aさんは「経験がフルに活かせるから」という理由で、同じ電機業界を希望されていました。そこでトップの参謀役的な立場に就き、ともに大きなビジョンを描き、それを遂行したいとの思いを持っておられました。しかし、希望に合いそうな同業者の求人をご紹介しても、どれもいまいちピンと来ていない様子。実際、A社と同等以上の待遇の求人案件はなく、「転職する意味があまり感じられない」と思われるのも当然でした。

経験が活かせ、かつ本人の希望にも合う「異業界」求人に注目

そんな時、ある大学法人の理事長から「経営参謀となる人物を採用したい」との要望を受けました。

関西にある中堅大学。現時点では経営状態に問題はないものの、今後は人口減に伴い志願者減が予想されるため、大学の生き残り策をともに考え、実行してくれる人に来てほしい…とのこと。生き残りのためには就職率向上が重要課題であるため、大企業の人事経験者など、就職やキャリアについて詳しい人を希望されていました。

その時、頭に浮かんだのがAさんでした。
人事の経験はありませんが、各現法においてグローバルマーケット全体を俯瞰し、戦略を立て、実行してきた経験の持ち主。また、人とのかかわりを重視し、拠点閉鎖の際も部下への配慮を欠かさなかったという話も聞いていました。ご本人の「トップの参謀役的な立場に就きたい」という希望にも合ううえ、そもそも視座が高い人格者であり、教育というテーマにも興味を持ってくれそうだとも思いました。

そこでAさんに、「業界は全く異なるけれど、こんな観点もあるのでは?」とご提案してみたところ、「面白そう。話を聞いてみたい」との反応。理事長側からも「希望条件には合わないけれど、一度話をしてみたい」と賛同が得られ、昨年末、関西~東京間でSkypeによる面談が実現しました。

そこからは、とんとん拍子。あっという間にこの話はまとまり、Aさんはこの3月から同法人で活躍されています。

Skype面談に臨む前は、双方ともこの話がまとまるとは思っておらず、「まずは話を聞いてみよう」というスタンスでした。しかし、この面談で一気に意気投合されたのです。

Aさんは、理事長から「生き残りのためには就職率向上が重要課題」と聞き、瞬時に頭の中に「やるべきことの手順」が見えたそうです。Aさんはマーケティングのプロでもあります。未経験分野とはいえ、どのように優先順位を立て、どういう手法を用いて取り組めば課題解決できるかイメージできたのだとか。「就職率だけを向上させても、対処療法に過ぎない。大学として明確なコンセプトを打ち出すことが優先であり、その結果、就職率が付いてくる」ということも理解していました。

理事長も、すぐにAさんの視座の高さに気付き、理解度の速さ、見識の深さ、そして大きな戦略を描けるスキルに惹かれたとのこと。「当初の希望とは異なるものの、経験的にも人間的にも申し分ない」と絶賛。その後、年明けに対面でも会っていただき、条件面のすりあわせが行われ、その場で内定が決まりました。

Aさんからは、こんな言葉をいただきました。
「全く想像もしていなかった世界ですが、理事長を支え、大きなビジョンを描く仕事にワクワクしています。定年まで追い続けられる目標が見つかりました」

実はこの転職で、年収は大幅ダウンとなります。それでも、新しい環境で得られるであろう「やりがい」が勝ったとのこと。Aさんが入社されたことで、この大学がどのように変わっていくのか、今からとても楽しみです。

仕事をリタイヤするその日に、「何を思って」終わりたいのか

私は、「ミドル世代の適正なマッチング」を目指し、今の会社を立ち上げました。社会人歴の長いミドル層は、Aさんのように「長く経験してきたから、次もこの分野しかない」と思い込んでいる方が多いのですが、決してそんなことはありません。豊富な経験、スキルを活かせる場は、他分野にも広がっています。その可能性を見出し、新しい環境を提案するのがコンサルタントとしての私の役割だと思っています。

とはいえ、転職はリスクも伴います。例えば、「役職定年になって給与も待遇もがくんと下がったので、辞めたい」などと言う理由で当社を訪れる方がいらっしゃいますが、外界はもっと大変です。残りの仕事人生をどう送りたいのかをじっくり考え、それが今の環境で叶えられない場合に、転職を検討してほしいですね。

40歳を超えると、仕事人生の終わりが何となく見えてくるようになります。私が面談で伺うのは、その「残りの仕事人生」において、何をやり切りたいのか。そしてリタイヤするその日に、どういう思いを持って終わりたいのか。そこから逆算してこれからのキャリアをともに考えます。

先だって転職を実現された51歳のBさんは、大手グループ会社の社長を務められた方ですが、「残りの仕事人生はベンチャー企業で送りたい。経営参謀として若い社長を支え、会社の成長に尽力したい」という思いをお持ちでした。現在は、医療機関の再生を手掛けるベンチャーに入社し、新しい仕事にモチベーション高く臨んでおられます。

求職者の方が、最後の最後に、「ああ、この仕事をやってきてよかった」と満足できる、そんな仕事人生を実現するパートナーでありたいと願っています。

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