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転職事例紹介 Vol.01

森本千賀子さん

株式会社リクルートエグゼクティブエージェント エグゼクティブコンサルタント
1993年リクルート人材センター(現リクルートキャリア)入社。リクルーティングアドバイザーとして、大手からベンチャーまで幅広い企業に対し人材戦略コンサルティング、採用支援全般を手がけ、主に経営幹部・管理職クラスでの実績多数。特に、ベンチャー企業、株式公開予備軍の企業を強みとする。2010年4月にリクルートエグゼクティブエージェントに転籍し、消費財・サービス分野を中心に担当。『本気の転職』『メンターBOOKS 女性管理職Q&A』『1000人の社長から信頼される人の仕事の習慣』『後悔しない社会人一年目の働き方』など著書多数。

「いずれは経営ボードに」と考える、Webプロデューサー女性。数字に明るく、事業の現場で常に収益を考え続けてきた経験に注目し、大手情報サービス会社の経営企画職にキャリアチェンジが決定

2人の子供を育てながらキャリアを追う女性。その境遇と思いの強さに共感

この夏、ある女性との出会いがあり、彼女のキャリアをガラリと変えるお手伝いをさせていただきました。今振り返っても、ミラクルマッチングだったと心底思える転職事例であり、人材コンサルタントとしての役割をまっとうできたことを嬉しく思っています。
7月に行われたキャリアカーバー主催の「キャリアカンファレンス」で、彼女に声をかけられたのが出会いのきっかけ。すでにキャリアカーバー経由で当社のコンサルタントとコンタクトを取っているが、できれば同じ女性でありワーキングマザーでもある私にサポートをお願いしたい…と直談判されたのです。
仮に彼女をAさんとしましょう。立ち話をする中で、Aさんが2人の子供を育てながらフルタイムでバリバリ働くワーキングマザーであることがわかり、私と境遇が似ていると感じました。「今すぐに転職したいわけではなく、今後のキャリア展望に不安がある。ぜひ相談に乗ってほしい」というご依頼を受け、改めてお会いする機会を設定させていただきました。

後日、改めてじっくり話を聞きました。彼女は大手IT関連会社に勤務しWebプロデューサーとして活躍する34歳。プロデューサーとしての実績を積み、役職者ではないもののプロジェクトの主担当者として事業決定を下してきた経験も持っています。しかし彼女は今後、Webプロデューサーとしてのキャリアを極めるのではなく、経営に近い立場で働き、40代のうちには経営ボードメンバーに入りたいという希望を持っていました。

新卒入社した今の会社で十数年働く中で、順調だった事業でも会社の経営方針によりスクラップされたり、中核事業とされていた事業でも脇に追いやられるケースを数多く見てきたといいます。事業を支えるメンバー一人ひとりは、大義をもって業務に臨んでいるのに、経営陣の意志決定に左右されてしまう。そんな理不尽な状況を変えたい、社員の大義を尊重しつつ会社のベクトルを決定していきたい――そんな思いが強まったのだそうです。しかし、今の会社では、40代で経営ボードに入るのは難しく、女性が入った前例もない。だから環境を変えたいのだと真剣に訴えました。

 並々ならぬ強い思いに触れ、彼女を応援したい!と心から思いました。しかし、Aさんは転職歴がなく、1社でキャリアを積み上げてきた人。十数年かけて社内で作り上げてきた「自分のブランド」をいったんゼロにして、新たに作り上げるにはかなりの負荷が掛かります。ましてや彼女はワーキングマザー。転職先が、今の職場よりも「働く母親にとって融通が利かない」環境である可能性も大いにあります。
それに、環境が変わるということは、旦那さんのサポート体制にも変化が生じるということ。「いったんご自身で思いを整理し、ご家族で十分に話し合った後、それでも本気で環境を変えたいと思ったら、また連絡をください」とお伝えして、その日は終わりました。

 一週間後、Aさんから連絡がありました。 じっくり考え抜き、それでもやはり環境を変えたいとの決意を聞き、私も腹を括りました。彼女のキャリアに合った最良の環境を、真剣に探し出そうと。

次のステップは、ベンチャー社長の右腕か、一般企業の経営企画職か

Aさんの思いが活かせる環境として頭に浮かんだのは、2つの道。企業規模が小さく、若手にもチャンスが多いベンチャーに移り、経営者の近くで修業を積むか、もしくはある程度の規模の会社の経営企画職に就いて経営を覚えるか。
Aさんに話したところ、「両方の道にトライしたい。求人さえあれば、いずれの面接も受けてみたい」という反応でした。なお、前者のベンチャーは自分でも想定していたものの、後者は全く想像していなかったそうです。「自分のキャリアで、一般企業の経営企画職になんて移れるのですか?」と半信半疑でした。
しかし、Aさんへのヒアリングの中で、事業に対する並々ならぬ「大義」を持ちながら、事業のPLを見て勉強しており、収益バランスを考えながら動いていたことをつかんでいました。話の中に数字を交えることも多く、数字に対する感度とセンスがあるとも感じていました。学生時代の得意科目も「数学」との答えでした。
一方で、転職市場において、「事業の現場がわかる経営企画職」を求める動きが高まっていることもあり、彼女であればポテンシャルが評価されるのではないかと思ったんです。

企業トップとの情報交換の場で直感。「この企業にはAさんがピッタリだ!」

Aさんとの面談の3日後、大手情報サービス会社B社のトップとのランチミーティングがありました。B社に限らず、私はクライアント企業のトップと頻繁にランチなど公式外のコミュニケーションを取り、企業や業界の現状をタイムリーにつかむようにしています。この日も当初は、あくまでB社との情報交換のつもりでした。
その中で、B社のトップの口から、こんな要望が飛び出したんです。新規事業をいくつか立ち上げる中で、事業ごとに合ったKPI(重要業績評価指標)を設定する必要があるが、事業側を理解していないと正しいKPIは設定できない。事業のことを理解し、各事業部の責任者とやり取りをしながら、事業と経営をつないでくれるような経営企画担当者が欲しい――。
すぐにAさんの顔が浮かびました。役割も条件も、彼女にあまりにぴったり。こんなシンクロニシティ(意味のある偶然の一致)はそうありません。その場でB社に話をしたところ、「ぜひ会いたい」とのこと。Aさんにもすぐに電話して、面接のセッティングを行いました。

その後は、とんとん拍子。面接から10日もかからず内定が出ました。納得して転職先を決めていただきたかったので、その間に「もう一つの選択肢」であるベンチャー企業の面接も受けていただきましたが、AさんはB社への転職を決めました。
「ベンチャー企業では、より即戦力としての活躍が求められるため、Webプロデューサーとしてのキャリアを期待されます。それは当然のことであり、私も想定していました。ステップを踏んだ後に、経営ボードに入れたらと。しかし、企業の経営企画職というステップは、私の想定範囲外でした。経験を活かせる場面はあるでしょうが、基本的には新しい環境で一から経営企画としての仕事を学ぶことになります。大変だろうし、勉強しなければならないこともたくさんあるでしょう。でも、やってきたことの再現では、成長はありません。B社であれば、苦労はしても、加速度的に成長できると感じたんです」
彼女のこの決断に触れ、改めて人材コンサルティングの仕事のやりがいを実感するとともに、キャンディデイト(求職者)一人ひとりに対してシンクロニシティを作り出すのが、我々の役割なのだと再認識しました。

強みの客観視は難しい。キャリアの伴走者としてコンサルタントを活用してほしい

キャリアカーバーの登録者は、Aさんのように「1社でずっとキャリアを築き上げてきた」人が多いように感じています。漠然とした将来に対する希望や不安を抱え、悶々としても、一人ではなかなか答えは出てこないものです。それに、自分のことは意外に客観視できないもの。Aさんも、自分に経営企画の適性があるとは、全く気付いていませんでした。

皆さんの漠然とした想いを整理して、ストーリー化するお手伝いをするのが人材コンサルタント。ぜひ我々を伴走者として捉え、次のキャリアを見つけるための第一歩を踏み出してほしいと思っています。

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