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2019.04.26

転職活動の質を高める、起業という選択肢

雇用延長で広がる選択肢に対応できる力はあるか?

自らが希望すれば65歳までの雇用延長が制度化されるなど、人生100年時代におけるシニア世代の働く環境は激変しています。そして、シニア世代になってどんな働き方ができるかということは、実際には40歳を過ぎたミドル世代からの準備が不可欠です。いざ、50歳を過ぎてから、想定外に選択肢が少ない事態に焦らないようにするために、自分自身がどんな働き方をしていきたいのか?実際には、複数の働き方の選択肢から、自分が主導権を持って選べるようなスキルを身につけておくのか、できるだけ早くから考え始めておいていただきたいと思います。

一般的に60歳を超えた年齢になったシニア会社員には、おおむね以下の3つの選択肢があり、それぞれの特徴があります

再雇用
ただし、再雇用の場合には、年収で3割~5割減というように、大幅に収入が下がる可能性が高く、また、会社都合が優先されるため、自分がやりたいと思う仕事が任されにくいこと、かつての部下が上司になる、など人によっては、心理的抵抗が強い環境に変化することがあります。その環境に耐えられないと考えて、転職を検討し始める方も多いのが実態です。

転職
シニア転職の最大の壁は、これまで自分がやってきたキャリアを生かす仕事がしたいと望んでも、そのような仕事に就くのは非常に難しいということです。役職定年や、現場の若返りを模索するのは、自分が勤める会社だけが考える特別なことではありません。同業他社はもちろん、異業種であってもほとんどの企業が同じことを考え、制度化しているため、50歳を超えた段階での転職は、かなり特殊なスペシャリストの欠員募集や、新規事業や海外進出で、社内にいない専門家を必要とする場合に、年齢に関係なく採用を行わなければいけない場合などに限られることが多いのが実態です。

起業
最初から起業を選択肢に入れている方は非常に稀ですが、かと言って、再雇用や転職がむずかしいことがわかってから、起業を考え始める引き算の選択では、うまく進みづらいケースも増えてしまいます。そのためにできるだけ早い段階で(実際に起業するかどうかは別として)選択肢として検討を始めていただきたいと思います。また、起業=リスク、ととらえる向きも多くおられますが、そこにも多様なバリエーションがあるので、はなからハイリスクを決めつけることも、それ自体がリスクになりかねません。

シニア起業の特徴とバリエーション

シニア起業にはいくつかの利点がありますが、そのうち最大のメリットは、

これまで培ってきた経験を生かすことができ、自分の意思で仕事を継続できる

ということに尽きると思います。人事異動や会社からの評価を気にすることなく、定年もない。経験を生かした仕事で、そこに需要さえあれば、自分が気のすむまでその仕事を続けることができる。これは人生100年時代に、定年延長や転職では得られないメリットです。
経験やスキル、さらにそれを買ってくれそうな顧客予備軍との人脈があれば、むしろ最優先の選択肢と考えてもいいかもしれません。

実際、シニア起業に踏み切る方々には、
・お金よりもやりたいことや社会貢献を優先したい
・1人起業
・急成長よりは長く続くビジネスへの志向
が強い傾向があります。

そのため結果として、
・ゼロから事業の芽を生み出していくというハイリスクな起業や、
・高額な資金や設備投資や従業員数を必要とする事業ではなく、
自分の経験と知恵を生かして小さくスタートする「身の丈起業」を選択する方が多くなっています。

会社を興すとはいっても、製造業のように工場や設備が必要な場合もあれば、世の中になかった新規事業を生み出していくハイリスクな挑戦もありますが、実際には、代理店やフランチャイズのような商品力がすでに確立されているものを扱うケースもあれば、コンサルティング業を個人事業主としてスタートする身軽な起業もあります。
また、昨今では、後継者が不在で、事業承継がむずかしく廃業する黒字の中小企業も多く出現しているため、廃業するくらいなら安くてもいいので会社を譲渡したいというニーズを受けて、事業を引き継ぐ形での起業も注目されています。
こういうリスクが低い「身の丈起業」であれば、十分に起業することを想定できるという方は多いのではないでしょうか?

今まで考えたことがなかった選択肢を、想像してみるだけでも選択肢が広がることはよくあります。会社に雇われることだけを選択肢とせずに、たとえ頭の中だけであっても自分の可能性が広がることで、心に余裕が生まれる効果もあります。ぜひこれまでの豊富なキャリアを活用して、人生の後半の働き方、生き方を有意義なものにしていただければ幸いです。

ルーセントドアーズ株式会社代表取締役
黒田 真行(くろだ まさゆき)

日本初の35歳以上専門の転職支援サービス「Career Release40」を運営。1989年リクルート入社。2006~13年まで転職サイト「リクナビNEXT」編集長。14年ルーセントドアーズを設立。著書に「転職に向いている人 転職してはいけない人」など。2019年、ミドル・シニア世代のためのキャリア相談特化型サービス「CanWill」を開始。
「CanWill」https://canwill.jp/
「Career Release40」http://lucentdoors.co.jp/cr40/

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