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2019.02.27

「年齢に左右されずに稼ぎ続けられるチカラ」は、 どうすれば磨けるのか?

10年後の変化は予測できないが、変化に対応する筋力はつけられる

昨年の年末、企業の時価総額世界ランキングTOP50の顔ぶれが、平成元年から平成30年までの30年間でどのように変化したかというニュースが話題になっていました。

30年前の平成元年には、世界1位の通信事業社をはじめ、再編前の都市銀行や自動車や電機などの製造業など、日本企業が32社と圧倒的な存在感を示していました。それが平成30年には、日本企業は1社のみ、しかもランキングは35位という激変ぶりでした。これだけの変化を予想していた人は、世界中でほとんどいなかったのではないかと思います。30年どころか、10年という期間でも、とかく変化が速い今では予測できない可能性も高いと思います。

この急激な変化の時代には、過去に培ったスキルや知識がそのまま通用する場面はどんどん少なくなります。特定・個別のスキルよりは、応用可能な共通スキルが重要になってくる時代といえます。逆に言うと、応用可能なスキルを持つことがビジネスキャリアとしての適応力につながり、長く働いていけるメリットにつながっていくことになります。

応用可能な「ポータブルスキル」とは?

では、応用可能なスキルとは具体的にはどのようなものでしょうか?また、それは今から身につけられるものなのでしょうか?
一般社団法人人材サービス産業協議会が厚生労働省の委託事業として取りまとめたポータブルスキル活用研修・講義者用テキストには、以下のようにまとめられています。


出典: 厚生労働省「ポータブルスキル活用研修・講義者用テキスト」
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11800000-Shokugyounouryokukaihatsukyoku/0000091180.pdf


一般にスキルという言葉で連想される「専門知識・専門技術」のほかに、「仕事のし方」「人との関わり方」という2つに分類され、「仕事のし方」は①「課題を明らかにする」②「計画を立てる」③「実行する」という3つの力にさらに細かく分けられています。
また、「人との関わり方」には「社内対応」「社外対応」「部下マネジメント」というようにコミュニケーションの対象別のスキルに分類されています。

専門知識・専門技術は業界や職種の固有性が高く、学習や経験を積むことで積み上げていくものですが、「仕事のし方」は積み上げ的に学ぶものではなく、これまでの仕事人生の中で自分自身が強みや得意分野として、すでに獲得しているものを再確認するだけで見つけることができる可能性が高いものです。

経験にとらわれない視界を持てるかどうか?

いくら高いポータブルスキルがあっても、キャリアの選択肢が広がらなければ、その能力を発揮する機会は生まれません。しかし実際には「専門知識・専門技術」を培うために相当の時間、学習や経験を積んできているがために、どうしても「自分の経験が生かせる業界や職種にこだわりたい」と考える傾向が強くなりがちです。転職などのキャリア選択のシーンでも、この「もったいないから捨てたくない(もったいないから活用したい)」という、いわゆる「サンクコストの呪縛」が、キャリアの可能性を阻害するケースが非常に多くなってしまうのです。

「サンクコストの呪縛」の説明で、よく言われる通り、いくら専門スキルの習得に時間や労力がかかっていたとしても、時計の針を戻すことはできないし、その労力も取り戻せません。苦労して手に入れた専門スキルで、キャリアチェンジが可能であればいいのですが、もしそれにこだわらないほうが可能性の選択肢が増えるのであれば、経験のある業界や職種にこだわる意味はまったくありません。次のキャリアをどう選択するか、という意思決定は、経験の有無を考えずにできる限り広い選択肢から選んだ方が確実にいい結果につながります。

また、ポータブルスキルは、今持っている手持ちのキャリア資産ですが、それ以上に重要なのは、「自分は仕事人としてどうありたいのか」「自分が仕事を通じて何を得たいのか?」というWill(~したいという意思)です。

意思とポータブルスキルの掛け算で、人生の後半の働き方、生き方を、ぜひ有意義なものにしていただければ幸いです。

ルーセントドアーズ株式会社代表取締役
黒田 真行(くろだ まさゆき)

日本初の35歳以上専門の転職支援サービス「Career Release40」を運営。1989年リクルート入社。2006~13年まで転職サイト「リクナビNEXT」編集長。14年ルーセントドアーズを設立。著書に「転職に向いている人 転職してはいけない人」など。2019年、ミドル・シニア世代のためのキャリア相談特化型サービス「CanWill」を開始。

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