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2018.11.05

転職で年収を上げるために知っておくべきこと

転職で年収が上がる人は約3割

転職相談でお会いした方から「転職したら、年収は上がりますか?下がりますか?」という質問をよくお受けします。 転職を考える多くの人が、転職を考えたきっかけに挙げるのが、「今よりもう少しだけ年収を上げたい」という欲求であるため、当然のことだと思います。しかし、実際に転職をした方々が、どのように年収が増減しているかは、あまり知られていません。

転職者全体の転職前後の年収増減率は、簡単に言うと「増加4割:変化なし2割:減少4割」という割合。年収がアップする人も下がる人もいて、その割合は五分五分というのが現実です。しかし、年齢別にみると少し状況が変わってきます。

【25歳~35歳】増加5割:変化なし2割:減少3割
【35歳~45歳】増加3割:変化なし2割:減少5割

これもあくまで平均値ではありますが、若い世代のほうが、比較的、転職前後で年収がUPしやすいことがわかります。これと同じように、見方を少し変えたり、分類を変えたりすることで、全体平均とは異なる色合いが見えてくることが多々あります。

市場の「需要と供給」で穴場を見つける方法

転職というイベントは、一生のうちに何度も経験するものではありません。約40年の仕事人生の中で、2,3回という方が最も多いのが実態です。そのため、どうしても経験値がたまりにくく、情報が不足しがちです。  情報不足の最たるものが、市場の見立て。つまり、需要と供給のバランスです。需要(求人数)が多く、供給(求職者)が少なければ、求職者にとって有利な市場となり、逆の場合は、求人企業が有利になります。この需給バランスを把握しているかどうかで、転職の成否は大きく変わります。
この需給バランスを表すデータが「有効求人倍率」。毎月末に厚生労働省から発表され、ニュースになることが多いので、聞いたことがあるという方は多いと思います。

最新の有効求人倍率は、平成30年8月度の1.63倍で、バブル期を圧倒的に超えた数字となっています。「1.63」という数字は、簡単に言えば求職者1人当たりの求人件数で、値が高ければ高いほど好況で転職がしやすく、低ければ仕事探しは難しくなります。

ただ、この1.63という数字はあくまで全体平均。これを年齢別・職種別・地域別など、細かく見ていくことで、転職の需給が見え、狙い目といえる市場を知ることができます。つまり、この求人倍率の数字が低いセグメントでは、求人企業が「なかなかいい人と出会えない」と悩んでいる可能性が高いということです。

① 年齢による需給格差

「30歳で転職した時にはたくさん内定をもらえたが、40歳を過ぎた今、なかなか書類選考を通過しない」というケースが多々あります。一般的に30歳と40歳では、同じ仕事内容で転職活動をしても、企業から声がかかる確率はざっと半分。年齢が上がると、どうしても需要が減少するため競争倍率は高くなってしまいます。

そのため35歳を超えると「自分を雇うことがいかに会社全体の利益向上につながるか?」を強くアピールする必要があります。自分自身の経歴や実績をアピールして、企業に魅力を感じ取ってもらうというやり方では通用しません。自分自身を“高性能の労働力”として、企業に売り込んでいく姿勢が必要不可欠になる、と考えていただいたほうがいいでしょう。

① 職種による需給格差

いわゆる求職者側から見た人気の仕事は、需要(募集)の絶対数が少なく、その仕事を希望する求職者が多い傾向があります。人気職種の場合は、一件の求人に、応募者が100人を超えることも頻発します。事務系で言えば、経営企画、マーケティング、広報、宣伝、商品企画、営業で言えば、ルートセールスや代理店渉外、IT系なら、社内SEがそれにあたります。応募する側からすると、たったひとつの小さな枠の求人に見えても、応募を受け付ける側からすれば、100人から一人を選ぶ大激戦求人ということになります。

そのため、たとえば「上場メーカーの広報の求人に絞って探しています」という方は、なかなか自分が考えている期間では思うような求人に出会えず、早い段階で第二希望、第三希望の条件も検討していただくようお伝えするケースが多いです。転職を考える際の序盤の準備として、自分の希望する求人の需給相場がいまどうなっているのかを確認するために、転職エージェントに相談したり、転職市場の動向調査などを検索したりして、できるだけ自分に合った作戦を立てていただきたいと思います。

③ 地域による需給格差

たとえば、東京都なら港区・中央区より大田区・江戸川区、都道府県で見れば東京より神奈川・埼玉・千葉、エリアでは首都圏より関西・中部のほうが、相対的に人手不足感が強いため、希望地域を少し広げるだけで、転職市場での自分の相対価値が変化することもよくあります。

たとえば、現在、東京在住であっても「実家のある地方も選択肢に入れてもいいか」となると、情報源もエリア専門の求人サイトなどに広がり、思わぬ求人情報に出会えることもあるので、条件設定の際には、地域間の需給格差にも注目していただければと思います。。
単に年収UPのためというだけでなく、少しでも自分自身の可能性を広げるために、転職市場の需給バランスに着目して悔いの残らない活動をしていただければ幸いです。

※求人倍率のデータは、リクルートワークス研究所の「ワークス大卒求人倍率」などを検索すれば閲覧可能です。

ルーセントドアーズ株式会社代表取締役
黒田 真行(くろだ まさゆき)

日本初の35歳以上専門の転職支援サービス「Career Release40」を運営。1989年リクルート入社。2006~13年まで転職サイト「リクナビNEXT」編集長。2014年ルーセントドアーズを設立。著書に本連載を書籍化した「転職に向いている人 転職してはいけない人」など。

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