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未来に向けて漠然とした不安を感じている方へ

不安をぼんやりさせたままにしないことが大切

新型コロナの影響もあり、漠然とした不安な気持ちが高まっている。そう感じている方も多いのではないでしょうか。

転職相談者の中では、コロナ以前からそうした声がずっと続いています。メガバンクや大手メーカーなどの早期希望退職が次々と発表され、昨年はトヨタ自動車の豊田章男社長による「終身雇用を守っていくのは難しい」という発言が大きな話題を呼びました。従来の社会構造が成り立たなくなり、この先10年・20年という流れの中でどう変わっていくのか捉えにくい、大きな時代の変化の過渡期にあります。そこに、リーマンショック、東日本大震災、新型コロナなど、数年ごとに起こるマイナスのアクシデントが拍車をかけている。特に新型コロナにおいては、在宅勤務やリモートワークといった働き方への影響も大きいため、変化に加速度をつけています。

また、社会構造が大きく変わる中で、働く側の労働寿命も伸びています。長く働いてはいきたいものの、自分に出番があるのだろうか。AIが発展していく中で、自分の仕事はなくなるかもしれない。希望退職をしたとして、残りの10年・20年何をしていくのか。そんな不安や悩みを抱えている人とお会いするケースが増えています。

不安が高まっていると、人はどうしても弱気になったり、ネガティブな気持ちに向かったりしがちで、いいことはありません。そこで、漠然とした不安をお持ちの方にぜひ取り組んでいただきたいのが、不安を具体化させ、ぼんやりさせないことです。

仕事、家族、人間関係、健康、お金の5つの面で、何を不安に感じているのか書き出してみましょう。それは今すでに起こっている不安なのか、将来起こりそうな不安なのか、それによる影響度は大・中・小どれくらいか、といった整理をしていくと、より具体化されていきます。そして最も大切なことは、自分でコントロールできる不安と、コントロールできない不安に分けること。なぜなら、コントロールできない不安について、どれだけ思い悩んだところでどうにもなりません。その代わり、コントロールできる不安については対策を考え、そこから着手していく。これをやるだけで不安を大きく減らしていくことができるはずです。

最悲観シナリオを描くことで、冷静に分析できる

不安を冷静に分析し、次のアクションを起こす前に、もう一つやってみていただきたいことがあります。それは、一度最悪のシナリオを描いてみること。

これまでたくさんの転職支援やキャリア相談をしてきましたが、嫌なことが起きたら困ると考えている人はいますが、それは具体的にどんなことなのか、どこまでいけば最悪な状態になるのか、そこまでイメージできている人はほとんどいないのが現状です。

できれば最悪なことは想像したくないかもしれませんが、具体的に想定すればこそ、きちんと備えができるものだと私は思います。最悲観シナリオを避けるためには何をすればいいのかに頭が向かうようになる。柔軟に考えられるようになります。

一番リスクが高いのは、過去の延長で「こうあるべき」と未来を考えてしまう人。これまでに恵まれた人ほど陥りやすい傾向があります。例えばオールドエコノミー側の業界の場合、既に会社の先行きが厳しく、人員の余剰が生まれ、希望退職を募っている。この状況を冷静に捉えれば、転職にあたって年収やポジションなどの条件を下げたり、新たな分野でのチャレンジをして自らの付加価値を高めたりしていかない限り、選択肢が狭まってしまうことはわかります。なのに、過去の延長で考えてしまう人は、「課長にまでなったから」「この業界が好きだから」などという理由で冷静な判断ができなくなり、同じ業界で同じ経験を活かしたいといった発想につながってしまう。

実際になかなか考えを切り替えられずに、既に会社を辞めてしまっているがために転職への切迫度も高まって、どんづまってしまう方も見てきました。そうした最悪の事態を生んでしまわないためにも、「せっかくここまでやってきたんだから、それを捨てて、会社や仕事を変えるなんてもったいない」という感覚に陥ってしまう危険に早く気づく必要があります。

そのためにもぜひ一度、人生の最悲観シナリオを描いてみてください。自分にとっての真のリスクを明らかにし、不安を客観視することにつながります。それに、実際に思い描いてみると、現代の日本において本当に最悪の事態というのは、そんなに簡単には起こるものではないと気付くものです。余計なプライドさえ捨てられれば食べていくことはできる。子供の私学は諦めなければいけないかもしれないけれど、公立にはいける。最悪といってもこんなもんで済むのか、そう思えればきっと心は軽くなるはず。モヤモヤをクリアにして、その上で、ぜひ未来に向けて新たな一歩を踏み出していってください。

黒田 真行 氏

ルーセントドアーズ株式会社 / 代表取締役

黒田 真行(くろだ まさゆき)

日本初の35歳以上専門の転職支援サービス「Career Release40」を運営。1989年リクルート入社。2006~13年まで転職サイト「リクナビNEXT」編集長。14年ルーセントドアーズを設立。著書に「転職に向いている人 転職してはいけない人」など。2019年、ミドル・シニア世代のためのキャリア相談特化型サービス「CanWill」を開始。
「CanWill」https://canwill.jp/
「Career Release40」http://lucentdoors.co.jp/cr40/