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2018.02.16
転職事例紹介 Vol.21

佐々木 新吾さん株式会社ダンネット
取締役

大学卒業後、大手ITアウトソーサーへ入社。大手新聞社のシステム運用部門に派遣される。その後、営業経験を積みたいと考え転職。通信事業者の営業職を経て、設立間もない人材サービス企業へ入社。2年後、知人に誘われて、新たな支店を設立しようとしていた人材紹介会社へと移り、ヘッドハンティングの実務を経験する。人材紹介コンサルタントとして4,000名以上の人材と面談し、あらゆる職種の知見を広げ、自動車メーカー、部品メーカー、電機メーカー、精密機器メーカー、金融機関、化学品メーカーなどからの依頼によるヘッドハンティングを成功させた。その実績を評価され、若くして管理職に昇進。プレイングマネージャーとして人材紹介コンサルタント活動を継続しながら、チームマネジメント・事業マネジメントを行う。その後、2013年にダンネットに入社して現職。これまでに人材紹介コンサルタント、ヘッドハンターとして20年以上のキャリアがある。

まったく人材を募集していなかったF社にベテラン技術者Dさんを売り込み、内定を獲得

書類・面接でのアピールが弱かったため、まずは自己アピールできる材料を徹底的に伝えた

出会いのきっかけは、私がDさんにヘッドハンティングでお声がけしたことでした。あるメーカーのソフトウェア開発リーダー募集に、Dさんのキャリアがぴったりだったのです。結局、その企業とのご縁は成立しなかったのですが、Dさんは転職意欲が高く、私が引き続き転職をお手伝いすることになりました。

Dさんはメーカーのソフトウェア技術者として、2社で30年近いキャリアがあり、特にプロジェクトマネジメントの経験と実績が豊富で、技術力の高い優秀な方と見受けられました。また、そのとき勤めていた2社目の企業は外資系で、海外とコミュニケーションを取る機会が多く、英語も堪能でした。

ただ、性格は少々控えめで、自らがビジネスやチームをぐいぐい引っ張っていくタイプではありませんでした。Dさんに詳しくお話を伺い、面接のロールプレイをしてわかったのは、書類上や面接中でもやはり控えめで大人しい方という印象が強く、アピールが弱いことでした。たとえば、職務経歴書に専門用語が多く実績の記載が乏しい状態でした。これでは、実際に上司になる方はDさんの実力がわかるのでしょうが、人事の方はキャリアやスキルを十分に理解できません。また、外資系特有の用語が多い点にも問題がありました。当然ながら、面接のロールプレイでも書類と同じような問題が散見されました。全体的に、相手に伝えよう、自分をアピールしようとする姿勢が弱かったのです。

そこで、私はまず、自己アピールの技術とポイントを時間をかけてお伝えしました。何度か打合せを重ね、具体的には、「自己PRシート」と「自己成長チャート」の2枚のシートをDさん自身に作っていただくことになりました。前者でご自身の現在のスキルを簡潔にプレゼンテーションし、後者でご自身の成長の軌跡とこれからの成長の方向性をわかりやすく見せる構成にしたのです。また、面接ではこれに則ってコミュニケーションしていただくようにしました。

ちなみに、なぜこの2枚のシート構成にしたかと言えば、Dさんには継続的に貪欲にスキルを身につけようとする姿勢があったからです。後で詳しく説明しますが、いまの企業の多くは、ベテラン層にもこうした意欲、伸び代を求める傾向があります。そこで、年齢に関係なく成長意欲を特に強くアピールしたいと考え、これからの成長の方向性が目立つようにしたのです。

「英語力と技術力を買っていただけるのではないか」という私たちの推測が当たった

転職成功に向けては、もう1つ大きな問題がありました。これはDさんに限った話ではありませんが、管理職レベルの方の募集案件は絶対的に少ないのが現実です。2017年12月現在で言えば、建設業界・IT業界・サービス業界は人材不足ですから、管理職レベルの方でも案件が見つかる可能性がありますが、それ以外の業界では管理職クラスの案件が乏しいのが実情です。Dさんの場合も、やはり案件は見つかりませんでした。そこで私とDさんは作戦を練りました。Dさんと相談し、しっかりとマーケティングを行った上で、こちらから売り込みにいく企業を4、5社ピックアップして、一つひとつアプローチ方法も考えて提案活動を行ったのです。いずれも中途採用を積極的には行っていなかったメーカーばかりです。その1つが、東証一部上場の消費財メーカー・F社でした。

私たちがF社をピックアップしたのは、F社が最近、海外でのビジネス展開を積極的に進めていたからです。Dさんの英語力や、海外開発部門とのコミュニケーション経験を評価いただけるのではないかと考えたわけです。私たちの想定通り、Dさんの英語力と技術力が目に留まり、また自己PRシート、自己成長チャートなどの資料をまとめ、本質を表現する力、概念化能力とベテランになっても貪欲に成長しようとする姿勢も評価されて、面接はトントン拍子で進み、売り込みから1~2カ月でスムーズに内定を獲得することができました。ただし、F社には採用の予定がまったくなかったため、社内稟議に手間取り、内定から入社までには数カ月を要しましたが、結局、私が最初にDさんにお声がけしてから約半年後、DさんはめでたくF社に入社したのです。製品領域は違うものの、前職とほぼ同じ業務に就き、実力を発揮しています。なお、F社は現在も積極的な中途採用は行っていません。

最近は、「50歳なら、あと15年活躍していただける」と考える企業が増えている

私たちダンネットは、主にベテラン層の方々を対象にして人材紹介やヘッドハンティングを行っている企業です。私もその会社の一員として、日々、数多くのベテラン層の方々の転職をお手伝いしています。

ベテラン層の転職で最も大きなポイントとなるのは、先ほどもお伝えした通り、「募集案件が顕在化しておらず、ネット上にはほとんど見あたらない」ことです。ところが困ったことに、募集案件情報だけを求めて、私達のところにいらっしゃる求職者の方が多く、コミュニケーションをとれない方が多いのが悩みの種となっています。私達が人材の能力の高さや人となりを理解できていない状態では、正直なところ、良いご縁をご紹介するのは難しいと言わざるを得ません。Dさんのように、私たちと一緒になって、ご自身のスキルとキャリアを棚卸しし、今後の方向性を定め、ベテランのスキルや技術を求めているであろう会社をピックアップして、こちらから的確な提案を行わない限り、ベテラン層の方々の幸せな転職は実現できません。実は、Dさんも出会った当初は、募集案件を求めていました。しかし、私の説明に納得して、転職活動を一緒に進めていくスタンスを取ってくださいました。転職成功には、こうしたスタンスが欠かせないのです。

もう1つ、ベテラン層の転職で鍵になるのは、これもDさんの事例で触れましたが、「もうワンランク上を目指して成長しようとする姿勢」です。なぜなら、いまや多くの企業が65歳定年を前提にしているからです。なかには、定年後再雇用も含めて、70歳まで働いていただくのが当たり前と考える企業もあります。つまり、企業には、50歳なら、あと15年、もしかしたら20年活躍していただけるという想いがあるのです。さらにいえば、40代はまだ若手のうちと考える企業も増えています。だからこそ、ベテランの方々にもより一層の成長を求めているのです。

それから、ベテラン層の方々が転職する場合に、よく注意しなくてはならないことがあります。それは「入社までに時間がかかる」ということです。募集案件のないところからスタートするわけですから、内定・入社にどのくらいの時間がかかるかは読めないのです。もちろん、2、3カ月ですんなり決まるケースもありますが、Dさんのように半年ほどかかるのがむしろ一般的で、なかには入社まで1年半かかった方もいます。ですから、ぜひ余裕を持って活動を始めていただけたらと思います。特に、前職を辞めてから数カ月後に転職活動を始めるのは決してお勧めしません。転職を決めていない状況からご相談いただくことも決して無駄にはならず、同一企業内でのキャリア形成の考え方、上司や会社との関係性を見直す意味でもキャリアコンサルティングできるヘッドハンターに相談することをお勧めいたします。

いまの日本には、上司とうまくいっていない、組織にフィットしていないといったさまざまな理由から、自信を失い、高い能力やスキルを発揮できていない方々が、ベテラン層だけではなくたくさんいらっしゃいます。しかし、そうした方がそのまま転職活動を行っても、転職先が決まるケースは少ないのが現実です。幸せな転職を実現するには、これまでのキャリアを振り返り、いまの自分に何ができるか、これから何がしたいか、何ができるのか、どういった環境で実力を発揮したいかといったことを考えた上で、目指すべき会社を探す必要があります。これまで培ってきたものに自信を持って活動することが大事です。そのプロセスをすべて独りで行うのは大変です。ぜひ私たちを頼っていただきたいと思います。私たちは、求職者一人ひとりの想いを大切にして、その方がどう活動したら成功するか、どのようなキャリア形成が求職者の方にとってよいのかをいつも一緒に考えて支援しています。自らが気づいていない長所も指摘させていただきます。ときには辛辣なことを言うかもしれませんが、そうした言葉にも真摯に耳を傾けてくださる方は、転職を成功させる可能性が高い。転職を迷っている状態でもかまいません。まずは一度お会いしませんか。

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