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2018.02.16
転職事例紹介 Vol.20

鈴木 智之さん株式会社フューチャー・オポチュニティ―・リソース(F.O.R)
取締役

京都大学大学院生命科学研究科修了。その後、理化学研究所免疫アレルギー科学総合研究センターで基礎研究に携わる。内資系CROでの臨床開発モニターを経て、2012年に㈱F.O.R入社。それ以来、ライフサイエンスの転職コンサルタントとして多くのマッチングを実現してきた。また、2015年、グループ会社として大杉バイオファーマ・コンサルティング㈱を設立し、代表取締役副社長にも就任。事業開発全般及び再生医療分野担当のコンサルタントとして、付加価値創造やPMDA承認取得の支援も行っている。

ベンチャー企業への転職を望んでいた大手製薬メーカーのAさんに、再生医療ベンチャー企業の最適なポジションをご紹介できた

Aさんがなかなか転職できなかったのは、「キャリアの一貫性」が見えにくかったから

出会いのきっかけは、私のほうからCAREER CARVERに登録していたAさんにお声がけしたことです。Aさんは国内大手製薬企業にずっと勤めてきた50代の開発研究者で、職務経歴書を見る限りでは、バイオ医薬品の開発に長く関わっているようでした。一方、私どもF.O.Rは、ライフサイエンス分野に特化した人材紹介を行っており、そのなかで私は、再生医療分野をはじめとしたバイオベンチャー企業の案件を多く担当しています。つまり、私にとってAさんは魅力的な候補者だったのです。

はじめてお会いした時点で、Aさんはすでに転職活動を積極的に行っていました。再生医療関連の企業で働きたいという希望のもと、いくつかの転職エージェントを利用しており、それとは別に個人契約したカウンセラーのアドバイスも得ているようでした。しかしながら、まだ1社も内定には至っていませんでした。私がお会いした時点ではあと1カ月半ほどで退職することが決まっていましたが、次の働き先は未定という状態だったのです。厳しい状況に追い込まれていたAさんは非常に焦っていました。

詳しくお話を伺ううちに、Aさんがなかなか転職先を見つけられない理由がわかってきました。一言で言えば、「キャリアの一貫性」が見えにくかったのです。Aさんは、非臨床試験(実験動物を用いた各種検討)を行ったり、製剤化検討(医薬品の最適な処方の検討)に携わったり、承認申請業務(薬事法に基づいたPMDAへの申請及び対応)の実務経験もあったのですが、いずれも10年未満の経験でした。これらのスキルは、大手製薬企業で携わった品目のステージが進むにつれ、ご自身も追従して各業務を経験された結果として、取得したスキルであり、その企業にとっては非常に意味があったのだと思います。一方、社外ではそれほど魅力的には映らなかったのです。平たく言えば、Aさんは多くの企業から「器用貧乏」だと思われていました。特に、Aさんが転職を希望していた再生医療関連のベンチャー企業や新規事業部などは少数精鋭で、専門性を強く求める傾向があり、タイミングが合わないとAさんのようなタイプを受け入れにくいのです。この点がネックになって、転職先が決まらないのだ。私はそのような見立てをしました。

ちなみに、Aさんのような方は、大手企業には決して少なくありません。なぜなら、大手企業の場合、他社にはいない人材を育てることが強みになりうるからです。しかし、そうした方は転職の際、往々にして苦労することになります。では、いったいどうしたらよいのでしょうか。私としては、そうした方々には、後づけでもかまわないので、自分なりの「キャリアストーリー」を構築することをお勧めしています。もし転職までに数年の猶予があるなら、ストーリーを強化するために必要なキャリアを社内で身につけてから転職したほうがよいでしょう。そのキャリアストーリーに一貫性や魅力があれば、格段に転職しやすくなるはずです。

そういえば、あの会社はそろそろ医薬品の承認申請書類を作成する人材が必要では?

Aさんの話を聞いた後、私はいろいろと考えを巡らせました。そのとき、ふとある再生医療ベンチャー企業B社のことを思い出したのです。Aさんにお仕事を紹介する2年前、と私は、縁あってB社の社長様と会食する機会を得て、ビジネスについて詳しく伺ったことがありました。さらに、その後もビジネスは順調に進んでいるという噂を耳にしていました。もしそれが事実だとすれば、臨床試験は終わりに向かっているはずで、そろそろ薬事法に則った医薬品の承認申請書類を作成する人材が必要になるに違いないと思いました。厚生労働省に提出する医薬品の承認申請及び対応は、自社内で実施するのが基本ですから、B社のようなベンチャー企業でも薬事の専門家を置く必要があるのです。薬事法の専門スキルに加えて非臨床試験、製剤化検討の経験を持つ、Aさんの職務経歴はB社にうってつけではないか!私はそう考えたのです。

その推理と戦略は当たっていました。B社の社長様は、Aさんの職務経歴書を見て、そのキャリアに興味があるとおっしゃいました。面接はトントン拍子で進み、最終的にはAさんが大手製薬メーカーを退職する前に入社が決定。退職した次の月から、Aさんは早速B社で働き始めました。現在、Aさんは、B社が生み出した再生医療分野の新製品をいち早く世に出すべく、申請書類作成に奮闘している真っ最中です。

医薬品開発支援ビジネスなどで得た情報や人脈を提供できるのが私たちの強み

改めて自己紹介をすると、私どもF.O.Rは、国内大手製薬企業で採用・人材開発・研究人事などに長く携わってきた土木田が2006年に創業した会社で、土木田をはじめとするメンバーはみな、業界内にさまざまなネットワークを構築しています。B社の社長様とも、そのつながりの1つを辿ってお会いしました。このネットワークをベースにした情報や人脈が、私たちの強みです。

その強みをさらに強化しているのが、2015年に設立したグループ会社「大杉バイオファーマ・コンサルティング」です。これは、私たちのネットワークを通じて集まった製薬メーカー出身者たちと始めた会社で、創薬開発、CMC開発、再生医療などを支援する医薬品開発支援ビジネスを行っています。実は私自身も、以前、理化学研究所で免疫研究をしていた経験やネットワークを活かして、この会社の副社長として、再生医療等の付加価値創造やPMDA承認取得の支援に携わっています。転職コンサルタントと医薬品開発コンサルタントの二足のわらじを履いているというわけです。

私どもは、この医薬品開発支援ビジネスを通じて、日々、業界内の多くの会社、多くのキーパーソンに接しています。そうやって人的ネットワークをさらに広げるとともに、医薬品開発の最新動向、最新情報をリアルタイムで入手しているのです。こうした情報や人脈を(もちろん法律や契約が許す範囲で)転職候補者の方々にフィードバックできることが、私たちの大きな強みとなっています。

その情報は、もちろんポジティブなことばかりではありません。たとえば、創薬ビジネスは非常にハイリスク・ハイリターンで、B社のような創薬ベンチャー企業は、大きな投資リスクを抱えざるを得ません。B社のビジネスと製品は相当有望ですが、それでもまだ世に出ていない以上、まだまだリスクは小さくありません。私はポジティブな情報だけでなく、こうしたネガティブな情報も隠さずお伝えした上で、候補者の方に決断していただくことを大切にしています。

一方、最近はAさんのように、役職定年を迎えた方や役職定年に近づいてきた方が、バイオベンチャー企業などに転職するケースが増えています。いま多くのベンチャー企業が、高い専門性を持っている方、キャリアストーリーのしっかりしている方を必要としています。そのニーズに対して、「もう一旗揚げよう」と転職を決断する方が少なくないのです。私たちも、その気概さえお持ちなら、ベンチャー企業への転職を積極的にお勧めしています。もちろん、これは年齢に関係ない話で、役職定年が遠い方や、安定した企業に物足りなさを感じている方でもまったくかまいません。ベンチャー企業への転職に興味のある方、ぜひお待ちしております。もちろん、安定した企業への転職を希望する方も、お気軽にお声がけください。ライフサイエンス分野であれば、国内企業、外資系企業を問わず、私たちが何かしらお手伝いできることがあります。

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