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外資系企業で必要な英語力とは?

世界各国でグローバリゼーションが進む中、日本へ進出する海外企業の数とそこで働く社員の数も昔に比べて格段に増えています。また、資本提携・合併・買収等によって、日本企業が外資系企業となることも珍しくありません。外資系企業で働くことが身近になりつつある今、気になるのが、外資系企業で働くために必要な英語力ではないでしょうか。

外資系企業に英語力は必須なのか?英語ができるメリット、できないデメリットとは

そもそも外資系企業で働く上で英語は本当に必須なのでしょうか?英語ができることのメリット、できないことのデメリットとは具体的にどのようなことかを紹介いたします。

英語は意思疎通の重要ツール

世界の人口は70億人を超えています。そのうち英語を話している人は約15億人いると言われており、英語を母国語としている英国、米国、オーストラリア等を除くと、ヨーロッパ諸国をはじめ、インド、フィリピンなどのアジア諸国、アフリカで最も人口が多いナイジェリアなどで英語が第2言語として使われています。第2言語として英語を使っている割合は、英語を話す全人口の7割を超えていると言われており、英語が世界共通言語と言われれる大きな理由の一つとなっています。したがって外国人の上司、同僚、部下、クライアントと意思疎通をはかるうえで英語は重要かつ基本的な手段となります。

英語ができないことは、そのままデメリットとなりやすい

「自分はこの分野では高い知識・経験・スキルがあり、これまでの勤務先で素晴らしい成果を上げてきた」というプロフェッショナルとしての自信があったとしても、英語で意思疎通ができないと以下のようなデメリットがあります。

(1) 上司、同僚、部下、クライアントが何を求めているのか、それにはどのような背景、目的、条件、期限があるのか、といった基本的な情報を正しく理解することができません。その結果、自分ができること、できないこと、達成するために必要な条件や時間などを正しく相手に伝えられず、双方が合意できる形での業務遂行が困難になります。特にクライアントとの商談においては、ちょっとした誤解や情報の欠如が、会社にとって重大なトラブルや損失に繋がりかねません。

(2) 外資系企業において、経営陣や主要なポストのシニアは外国人が多いので、通訳を介さずに直接コミュニケーションが取れないと、いくら職務遂行能力が高くても自分の能力や成果を正しく理解してもらえない、ひいては正当な評価が得られないというリスクは否定できません。今は360度評価の時代ですので、上司だけでなく、部下や他部署の社員であっても適切なコミュニケーションができることが求められます。

(3) 社内の文書やイントラネットなどが日本語に翻訳されているとは限りません。業務マニュアルはもちろんのこと、英語で書かれた会社のポリシー・規程・規則を正しく理解することはコンプライアンス上非常に重要です。

英語で正しく意思疎通をはかることは外資系企業で働くうえでの基本と言っても過言ではないでしょう。

外資系企業における英語力の目安

それでは外資系企業で求められる英語力とはどのくらいのレベルなのでしょうか?それはクライアントや自社の社員(外国人か日本人か)、職種(仕事の性質)、職位(管理職か非管理職か)によっても異なります。

英語を使わない場合

外資系企業であっても、外国の企業が日本企業と共同出資で会社を設立した場合や、外国の企業が日本の企業を買収した場合、担当業務やポジションによっては英語が必ずしも必要になるとは限りません。お客様や取引先が日本人のみで、商品の説明書、社内のマニュアルやシステムインフラが日本語になっている場合は、特に英語を必要とされません。具体的には以下のような例が挙げられます。

(1) コールセンターのような受電業務
(2) 営業のような渉外業務
(3) 定型的な事務処理のみのバックヤード業務
(4) 社内のシステムが日本語仕様で、海外とのデータ連繋がなく、日本のベンダーだけを使っているIT関連業務
また、非管理職の場合、上司が日本人で、英語で指示を受けたり、報告をしたり、また外国人が参加する会議に出席する必要がなければ、英語ができなくても支障はありません。

日常会話程度(業種や外国人の割合が低い場合など)

外資系企業の中には、同僚や仕事に関係する部署の社員の外国人比率が低い、または自身が技術職などであまり人と接する機会がない場合があります。そういった場合は、日常会話程度の英語レベルでも問題ないと言えます。しかし、人数の大小にかかわらず日常会話程度の内容で外国人と意思疎通をはかるには、少なくともTOEICで700点以上あることが望ましいと想定されます。また、日常会話程度と言えども、仕事の実践においては、TOEICの単語にカバーされていないビジネス用語(辞書に出てくる主たる和訳とは異なる単語を含む)がたくさんありますので、少なくとも自分の業務に関係する用語をマスターしておくと安心です。日頃、何気なく業務に使っているこの日本語は英語で何と言うのか?といった疑問を持って自己学習をすると良いでしょう。

ビジネスレベル(中間管理職に必要なレベル)

実務運営の中核である中間管理職(課長クラス)になると、ビジネスレベルの英語力が必要となります。中間管理職は、採用時に本国の人事担当者とSkypeなどで面接するケースが多々あり、そこでどの程度の英語力があるのか試されることがあります。TOEIC800点以上の英語力があるかどうかは重要な目安であるといえるでしょう。また採用後においても、自分の役割・ミッションに関する報告・連絡・相談といった基本的なコミュニケーションがタイムリーかつ正確に行える必要があります。さらに経営資源の管理、現状分析と将来予測、戦略的な提案を求められる上級管理職(部長、本部長クラス)ともなれば、TOEIC900点レベルは欲しいところです。

ここで求められるビジネスレベルとは、必ずしも流暢である必要はなく、要点を漏らさず正確に聴く、読む、話す、書くによる必要十分な双方向コミュニケーションができ、その結果、適切な判断や行動に結びつけられることが重要です。聞き取れなかったことや理解できなかったことを問い直すのは決して恥ずかしいことではありません。むしろそういったケースにも臆さず発言できる度量もビジネスレベルでは重要となります。
また、外資系の企業では、よく単語の頭文字を使った3文字や4文字の略語が使われます。(例:EBIT=earning before income tax, ROI=return on investment, OSB=outstanding balance, BAU=business as usualなど)これらの略語は業種や業態を超えて使われることが多々あります。分からない略語は上司や先輩社員に聞くと良いでしょう。

流暢レベル

流暢レベルとは、①適切な発音ができる ②適切な会話速度が保てる ③世界で広く受け入れられる「単語」「表現」「イディオム(慣用句)」が使いこなせることを指します。リスニングやリーディングはしっかりできるという前提で、スピ―キングがどこまで「流暢」にできるかということが焦点となります。そのうえで、「流暢」であることが求められるビジネスシーンというのは、社内の外国人よりも、クライアント、ベンダー、協会関係者など社外の外国人を対象とした対外的な業務です。これらの業務は会社としての「代表」だったり「顔」としての役割を担いますので、ある程度の権威付けが必要となります。単に言語能力だけではなく、分からないことは遠慮なく質問でき、言うべきことを適切に伝えられるディスカッション能力やプレゼンテーション能力が求められます。
また、金融・保険・IT・製造業などの専門的な職種においては、その分野ならではの専門用語に精通している必要があります。専門用語が分からないために、ディスカッションについていけないとなっては流暢であるとは言えません。また、今や外資系企業では、様々な国や地域の外国人が働いており、母国語による英語のアクセントも様々です。多少癖のあるアクセントでも聞き取れる力が求められます。これは様々な国の外国人と会話を通じて体得していく必要があります。

ネイティブレベル

ネイティブレベルとは、「流暢」のレベルが英語を母国語としている人と同じくらい高いということです。ネイティブレベルの「発音」「表現」「イディオム」は経験的、実践的に学ばないとTOEICなどの教本だけでは身に付きません。また、ネイティブレベルで英語が使えるようになるためには、言語的なスキルだけでなく文化や習慣の違いを理解しておく必要があります。特に複雑な商談や難しい交渉の場面においてはアイスブレイクと言われる軽いジョークで緊張を和ませたり、相手の国の料理や名所など文化や自然にちなんだ話題に触れることでより友好的な関係を築くことができます。

外資系企業において英語が必要となる実業務と、注意点とは

メール

メールにはある程度の「型」があります。修飾節が続く長文は望ましくなく、簡潔さが求められます。そのような意味では箇条書きが有効です。もし複雑な内容をメールやチャットで伝える必要がある場合は、要点だけを書き、詳細は添付ファイルで読んでもらうと良いでしょう。また、内容によってはメールを送った後に電話でフォローするとより効果的です。複雑な内容をメールだけで済ませようとすると関係者間の理解が進まず、何度もメールをやり取りして手間が増えてしまうことがあります。

電話、電話会議

非対面での電話や電話会議では、何よりもリスニング力が重要です。相手が何を言っているのか、相手の表情を見ずに正確に聞き取る必要があります。よく聞き取れない場合にはこちらから別の表現や言い方で再確認するスキルも求められます。

資料作成

それぞれの資料に応じて慣例になっている英語の表現を知っているかが重要になってきます。例えば契約書や規約にはフォーマルな英語が求められます。他にも技術的な設計書や仕様書などには精緻で専門的な英語、オペレーションマニュアルや取扱説明書には誰にでもわかりやすい簡潔な英語など、求められるドキュメントによって語彙や文章表現が異なります。これらはある程度定型化された表現が多いため、既存のドキュメントをよく読んで学習することが有益です。

会議、ディスカッション

外国人は対面での会議やディスカッションをより重視します。問題や目的、情報や条件を共有したり、何らかの結論や方針を導き出す場としては「電話会議」と同じですが、対面での会議やディスカッションにおいては参加者の身振りや表情などが表れます。そのような参加者の態度によって、根拠の確証や信憑性、自信の有無、主張の強弱、多数決による賛同の度合いなどを確認することができます。

会議やディスカッションに参加する際は以下の点が重要となります。
(1) 主体性を持って臨み、必ず何らかの発言をする。(傍観者=不要とみなされないようにする)
(2) 人の話を真摯に聴き、聞き取れなかったこと、理解できなかったことは遠慮なく問い直す。
(3) 自分の考えや意見、事実は躊躇せず、率直に表明する。(ただし重大なエスカレーションは避ける。)
(4) できるだけネガティブではなく、ポジティブな表現を使う。
(5) 丁寧な表現や言葉遣いをする。
(6) 議論において重要なポイントやラップアップ(結論の要点)は必ずメモに取る。

プレゼンテーション、スピーチ

外資系企業では会議、ディスカッションと同様にプレゼンテーションやスピーチも重視されます。プレゼンテーションやスピーチは、現状分析に基づいた新しいアイデアやソリューションを提案する場であり、上司や同僚に自分の能力や価値をアピールする機会でもあるからです。プレゼンテーションやスピーチにも外国人に受け入れられやすい「型」があります。それは結論の概略を先に示し、根拠やロジックは追って説明していくPREPと言われるアプローチです。

PREPは以下の略語です。
(1) Point=概略と結論(提案の核心)
(2) Reason=背景や理由(結論に至ったロジック)
(3) Example=具体例や根拠(ロジックを裏付け、支持する事実や計数)
(4) Point=結論の再確認

この順番で進めていくと聞き手にとって分かりやすいものとなります。
プレゼンテーションはPower Pointのスライドショーを使うことが多いと思います。スライドショーを作る際のコツは日本語も英語もほぼ同様です。

① できるだけ図、グラフ、写真などビジュアルで理解できるようにする。
② 長い記述は避け、要点を箇条書きにする。

またスピーチは英語の場合も、ゆっくり、はっきりとした発音を心がけることが大切です。スピーチの原稿はPower Pointのスクリプトに書き込んでおき、もし余裕があればちょっとしたジョークを交えるとより魅力的なものになります。

【まとめ】

外資系企業で評価され、成長していくためには、数字での実績=成果を出すことはもちろん、英語での双方向コミュニケーション能力が重要な要因となります。まずは、流暢であることよりも、相手の話を漏らさず、正確に聞き取り(または提示された資料をしっかりと読み取り)、相手の意図を理解して、それに対する事実や自分の考えを適切に相手に伝え、合意を得たうえで適切な判断や行動が取れることが何よりも大切です。