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CEOとは  担うべき役割や魅力、 向いている人材を解説

この十数年、「CEO」に代表されるように日本で「CxO」という役職をよく見るようになりました。名称からして、海外由来であるのはわかりますが、社長や会長と何が違うのでしょうか。ここでは、CEOとはどんな役割を持った役職か、CEOが日本の企業組織で一般的になった歴史的経緯、CEOになるためのキャリアパスについて解説します。

CEOの歴史

CEOはアメリカの企業に由来しますが、CEOとはどのような役職で、それがどのような経緯で日本企業の多くに設けられるようになったかを解説します。

CEOの定義

CEOとは英語の「Chief Executive Officer」の略で「最高経営責任者」と訳されます。アメリカの企業では、企業の所有者である株主を代表する取締役会が、業務執行を行う執行役員を任命・監督するのが企業統治の基本形となっています。企業の所有と業務執行が明確に分かれているということです。

執行役員は、取締役会(所有者)が決めた方針に基づいて、具体的な業務を執行する責任を負っており、CEOはこの執行側のトップです。

日本の企業でも置かれるようになったCEOは、法律上明確に位置づけられた役職ではなく、会社が自主的に使用している役職名です。ただ実際には、CEOが法律上会社を代表する代表取締役を兼ねて、「代表取締役兼CEO」と称していることもあります。

一方、企業トップとして最もなじみ深い役職である社長は、CEOと同様に法律上の位置づけはない役職であり、所有と業務執行の役割が明確に分かれていない企業統治の形態で使われる役職です。すなわち、社長は所有者側の取締役であることも、執行側のCEOであることも、さらには、その両方を兼ねていることもあります。

日本におけるCEOの歴史

日本で一番最初にCEOを導入したのは1997年のソニー株式会社と言われています。ソニー株式会社は、所有と執行を分けるアメリカ流の企業統治体制を模した執行役員制度を日本で初めて導入するのを機に、アメリカ企業で使われていたCEOの名称を使い始めました。

その後、バブル崩壊後の企業業績低迷の原因のひとつが、日本流のあいまいな企業統治にあるのではないかという疑念に応えるために、多くの企業がアメリカ企業に倣った企業統治改革に乗り出すようになり、組織改編とともにCEOの名称も使われるようになりました。

CEOとCOOの相互関係 兼務する場合など

CEOとCOO は業務執行に責任を負っているという点では違いはありませんが、CEOが企業の長期的な経営方針や事業計画に責任を負っているのに対して、COOはCEOの経営方針に従って日々の業務執行に責任を負います。これは監督とプレーヤーに例えることができます。監督兼プレーヤーがいるように、一人がCEOとCOOを兼ねることもあります。

CEOの役割

CEOの役割をもう少し細かくみていきましょう。

長期的な経営方針、事業戦略の策定

CEOは経営(=業務執行)に最終責任を持ちます。責任を果たすためにまず、長期的な経営方針を定めます。すなわち、その企業は何のために存在し、何を目標に活動していくかの基本的な考え方を明確にしたうえで、その考え方を実現するために取るべき具体的な方策を決めるということです。

次に、企業が収益を上げるために、どのような事業展開をしていくかを決めます。ヒト、モノ、カネをどこからどのように集めて、どこに配置し、どのように動かしていくかということです。そして、CEOは社会情勢の変化、他企業との競合の状況によって、この事業戦略を柔軟に見直していきます。

各業務執行の統括

企業活動はさまざまな業務の集合体と言えます。そして、それぞれの業務を担う部署があり、それを執行役員(組織上、執行役員という名称がついていなくても)が統括しています。財務の責任者であるCFO、ITの責任者であるCIOなどです。

CEOは業務執行の最終責任者として、これらの執行役員を通じて、企業の業務執行を統括します。そのために、企業内の業務が実施される現場の情報を把握している必要があります。CEOに日々あがってくる膨大な情報から、経営判断に必要な情報を取捨選択し、適切な判断を下していきます。

CEOになる(=経営責任を持つ)とはどういうことか

CEOの役割、CEOをめざす人がキャリアの中で培っていくべき資質とはどのようなものかを解説します。

企業・事業の未来を描き、新しい事業創出や取捨選択を行う

企業が存続し発展していくためには、経営環境の変化に応じて、新しい事業を生み出していく必要があります。そのために、CEOは企業が置かれた現行の環境を正しく把握するとともに、将来、どこの市場で何が利益を生みそうかを見通す未来洞察力を持つ必要があります。

そして、これらの決定が合理的であるだけでなく、あの人が決めたのなら従おうと社員に納得させるだけの人望を備えている必要があります。

資金を調達し、適切に投資する

新しい事業を生み出したり、発展させていくには資金が必要です。資金は主に既存の事業や融資から捻出されます。CEOは既存の事業活動において、資金を生み出すのに最適な業務が行われていない場合は、執行役員を通して是正の指示を出します。事業成長に必要な資金調達をCFOと行う場合もあります。

企業規模が小さい場合は経営トップと言えど細かい部分まで把握できていることが多いですが、ある程度規模があり、自らの手で日々の業務を行っていない場合は、受け取った情報だけで判断しなければなりません。過去に経験していない場面で判断を迫られることも多々あるため、手持ちの知識、経験から推測することになります。そのため、知識、経験が多いほど判断は楽になります。

そして、CEOはどのような場合でも、指示する相手に自信のなさを見せるわけにはいきません。社内の誰もから注視される中で判断を下し指示するには、覚悟・胆力が必要です。

従業員の生活を背負う、各ステークホルダーへの説明責任を果たす

人材の流動化が進んだ昨今でも、企業の業績は、企業が支払う報酬を通じて、働く従業員の生活、ひいては、その人生全般に大きく影響します。CEOは多くの従業員とその家族の命運を背負っているというプレッシャーにさらされます。加えて、企業活動に当たって、株主、出資者、顧客、取引先へ、また昨今では地球環境への影響や人権といった社会課題への対応方針なども含め、各ステークホルダーへの説明責任を果たしていくことを求められます。重責に対し、耐えうるメンタルのタフさが必要です。

CEO へのキャリアパス

CEOになるにはどのようなキャリアパスを辿っていくのでしょうか。いくつかの例とともにご紹介します。

企業の中で昇格する

経営者でないポストに入社した後、組織の階段をCEOまで上り詰めるというものです。日本の伝統的な企業では、新卒で入社して実績を積んで昇進した最終ゴールがCEOとなるケースが多くあります。アメリカでも、GoogleのCEOサンダー・ピチャイ氏のように、開発メンバーとして入社し、実績を積んて昇進しCEOになった例があります。

創業する

創業者がそのままCEOを務めていることもあります。創業した時点で、創業者は企業の所有者であり、かつ、業務の執行者で、企業活動に係るすべての活動を自ら行いますが、企業が成長し組織が大きくなっても、業務執行の最終責任は他人に委ねず、自ら負い続けているということです。Facebookの創業者マーク・ザッカーバーグ氏など、どの国でも創業から年数があまり経過していない企業には多く見られます。

CEOのポストに転職する

欧米では、他社でCEOを務めて実績を積んた人が、別の企業のCEOに転職することもあります。また、入社即CEOでなくても、執行役員ポストに転職した後、そのポストで実績を積んでCEOに昇進することも多くあります。例えば、Intelのロバート・スワン氏はCFOとして入社後、CEOになりました。

この背景には、CEOに必要な資質は中間/上級管理職とは全く異なるものであり、企業の事業内容や業種が違っても、経営専門職としてCEOは機能するというビジネス文化があり、それを可能にする経営者の転職市場が発達していることがあります。

これまで終身雇用制が支配的であった日本企業では、入社して以来、経営トップをめざしてがんばってきた社員の上に外部からCEOが入社してくるというのは受け入れがたく感じられてきましたが、最近では、日本マクドナルドやベネッセのトップを歴任した原田泳幸氏、ローソンからサントリーのトップに転出した新浪剛史氏のように外部から招くCEOの例も出てきています。

まとめ

このようにCEOは、企業経営の最終責任を担う重大な役職ですが、自らがキャリアで築き上げてきた経験、知識を総動員し、自分のトータルが問われ、大きなやりがいを感じられる役職でもあるのです。