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エグゼクティブ転職を成功させるために 転職活動の特徴、エージェント活用の注意点を解説

総務省統計局発表のリクルートに関するデータサイト(参考:https://www.stat.go.jp/data/roudou/topics/topi1230.html)によると、2008年のリーマン・ショック発生後2010年にかけて大きく減少した転職者数は、2011年以降緩やかに増加を継続し、2019年には351万人と過去最高(2002年以降のデータ)を記録しました。日本の雇用者数が5,900万人ですから、実に1年間に6%の人が転職した計算になります(1年間に複数回転職するケースもあるので、あくまでも目安の数字です)。年齢階級別にみますと、20代~35歳までは横ばいで推移していますが、35歳以上では緩やかな上昇傾向が続き、特に55歳以上の転職が大きく増加しています。転職の目的としては「より良い条件の仕事を探すため」が大きく増加しており、その他、より高い報酬、スキルアップ及びやりがいのある仕事を求める傾向となっています。 今回は、エグゼクティブ層(経営幹部)の転職にフォーカスし、実際にエグゼクティブポジションで転職活動中の人や、エグゼクティブ転職を検討している人の参考になればと思います。

エグゼクティブの転職は難しい?エグゼクティブの転職市場とは

エグゼクティブ転職市場は活性化している

転職市場全体が2019年に過去最高を記録(351万人)し活性化してゆく中、ハイクラスの転職が増加している傾向にあります。その背景には、企業のグローバル化、M&Aによる事業の多角化、社運を賭けた新規事業の立ち上げ、VCが投資した会社へのエグゼクティブ人材の送り込みなど、経営的な視点を持って業務を遂行できる人材のニーズが高まっていることがあります。日本国内産業は人口の減少問題をはじめとして市場自体が伸び悩んでおりますが、その対策として企業のグローバル化や新規事業の立ち上げが必要になります。そのような状況において、新規事業などを任せる経営幹部人材が自社内にいないことと、そういった人材の教育をしている時間がないことから、エグゼクティブ人材を外部から採用する選択をする企業が多くあります。もちろん、既存社員の不満、組織への悪影響を懸念して外部からの「経営幹部層」の採用に積極ではない保守的な会社も多くありますが、市場の構造変化が加速する中、リスクを取ってエグゼクティブ層の採用に踏み切る会社も増加傾向にあります。

エグゼクティブ転職の実態としては、専門性を活かした異業種への転職(CFOなど)、日本国内企業から外資系企業への経営幹部としての転職やその逆のパターン、海外での経営幹部として海外拠点責任者への転職、大都市圏から地方の地場企業の経営幹部に転職するケースなど、さまざまなケースで増加しています。

エグゼクティブ転職の規模に関しては、年収が800万円を超えるハイクラスの転職は、国税庁「民間給与実態統計調査(平成30年分)」および総務省「労働力調査(2019年度)」から試算すると約3.4万人となります。海外進出、新規事業の立ち上げが大きく増えている中、エグゼクティブ層の転職は今後ますます増加してゆくと推測されます。

企業が求めるエグゼクティブ人材

エグゼクティブ層の転職市場が活性化している中で、企業が求めている人材と転職を希望しているエグゼクティブ層の希望条件がいかにマッチングできるかが非常に重要です。

企業側がエグゼクティブの採用に要する経費は決して低くはなく、年収に対して約40%程度(ポジションによっては更に高くなる)必要となります。また、採用までに数か月を要したエグゼクティブ人材が、結果として期待していたパフォーマンスを発揮できない場合は再度採用が必要となる可能性もあり、そのための追加で必要となる経費及び大きな時間的ロスを考慮すると、採用に対しては非常に慎重にならざるをえません。

採用する企業が求めるエグゼクティブは、「経営的な視点を持って業務を管理、遂行できる人材」及び「会社のビジョンをよく理解し、社風にもマッチする人材」である必要があります。経営的な視点で大切なことは「事業計画」や販売などの「数字」を作ることができ、その大前提の上で、更に「高い問題解決能力」など、突出したスキルも求められます。一般的にアメリカの企業の特徴はトップダウン型であるため、エグゼクティブ人材には強いリーダーシップが求められますが、日本の場合はミドルアップダウン型であるため、エグゼクティブ人材にはトップと社員の中間でまとめてゆくスキルも求められます。
企業側がエグゼクティブ層の人材を求める背景は先ほどお話ししましたが、「社運を賭けた新規ビジネスを成功させるため」「海外進出を成功させるため」「各種組織の立て直しのため」「社長後継者が不在につき、後継者を探すため」「会社再建のため」など、企業の成長ステージにより求められる人材は異なりますが、注目したいデータの一つとして日本には100年以上歴史のある企業が26,000社もあり(参考:帝国バンクデータ)、その中で60歳以上の社長の50%に後継者がいないというものがあります。その様なケースで「社長後継者」としてのエグゼクティブ層への求人が増えており、エグゼクティブ層の転職市場は、大変幅の広い領域に拡大しているといえます。

エグゼクティブの転職活動でエージェントを使う際に気を付けるポイント

目的に合った転職エージェントを選ぶ

エグゼクティブ層の求人は基本的に一般には出回りません。ほとんどの場合はエグゼクティブ層の転職エージェントが非公開として保有している場合が多く、エージェントにより求人の件数や内容が大きく違います。従って、エージェントを使う際は、目的に合った転職エージェントを選択する必要があります。

エグゼクティブ層の転職としては2つの方法があります。一つは「転職エージェント」を活用する方法です。「転職エージェント」を選択した求職者に対して「担当アドバイザー」がつき、保有しているデータベースから求職者の希望に合った求人を紹介する方法です。この「転職エージェント」は大きく分類して「総合型」、「特化型」、「外資系」の3つに分類できます。

総合型の場合は、より多くの会社にアプローチをするので、業種を問わずに幅広く紹介してほしい場合に有効ですが、担当アドバイザーから求人者に対するアドバイスに関しては、専門的に詳しい内容まで対応することは難しいかもしれません。

特化型の場合は、「金融」「生活消費材」「スタートアップ」「IT」などに特化した会社の紹介になるので、求職者が業種を絞って会社を探す場合には有効です。担当アドバイザーからの説明も、業界の詳細動向、具体的な仕事の内容など、詳しい説明を受けることが可能ですが、総合型と比較すると保有するデータベースはかなり少ない件数になります。

外資系の場合は、外資系企業を得意としたエージェントであり、求職者が外資系企業への転職を希望する場合は有効であると考えます。外資系企業の報酬は日本の企業とは違い、遥かに高額である場合が多いので、転職の目的が給与であれば選択肢に入ると思いますが、当然要求される成果は非常に高くなります。

もう一つの選択肢は「ヘッドハンティング型転職エージェント」です。求職者がヘッドハンティング型転職エージェントに登録をし、エージェントが直接求職者に対してスカウトをする方法です。ヘッドハンティング型のエージェントは、エグゼクティブ層の求人に合いそうな求職者を登録者の中から見つけ出してコンタクトを取りますので、基本的に担当エージェントは付かず、エージェントからの連絡を待つことになります。したがって、求人者の「登録内容」がいかにエージェントの目にとまるかが決め手となりますので、「求人登録」は 充実したものにしなければなりません。

エグゼクティブ層の転職を成功に導くためには「総合型、特化型、外資系」に加え、「ヘッドハンティング型」の転職エージェントに登録しておくなど、複数のエージェントを組み合わせて活動することも有効です。

求める条件を明確にしておく

転職を成功させるために重要なことは、転職活動の際に転職先企業に求める条件を明確にしておくことです。求める条件が転職先企業に伝わっていない場合、ミスマッチが発生し、入社後にトラブルが発生する場合があります。また、内定時の提示額が希望していた年収よりも低く出る場合があります。特にスタートアップ企業の場合は、入社意欲が高まったあとに報酬の問題で入社に至らないということが発生することもあるため、例えばストックオプションなど、成果に対する条件などの妥協点を明確にしておく必要があります。

例えば、実際にあった事例として、入社時の条件は「年収 + 30%成果報酬」でしたが、30%の成果報酬の条件に関し双方の理解に相違があり、結局双方共に相手の理解を受け入れることができずに1年後に退社することになりました。条件等はできる限り具体的に決め、納得したうえで転職を決断することが望ましいと考えます。
エグゼクティブ層の転職の目的は、「より高い報酬」、「よりやりがいのある仕事」など、より良い条件の会社を探すことだと思います。希望条件を明確に伝え、納得したうえで転職を決断するべきと考えます。

もう一つ注意するべきことは、「経歴やスキルで嘘をつかないこと」です。少しでも良い条件で転職を決めたいために嘘をつき、大げさに成果をアピールしても選考過程で見抜かれる可能性があります。そうなると希望している企業からの信用はもちろんですが、転職エージェントからの信用も失われ、転職活動に不利になる可能性があります。また、仮に転職が成功したとしても入社後に苦労することは目に見えています。スキル、経歴、成果に関しては正確な情報を伝えるようにしましょう。

担当アドバイザーと定期的にコンタクトを取る

エグゼクティブの転職は、人材を求める企業の選考も慎重になり、求職者も企業が求める条件を十分に理解し、納得したうえで決めるために長期化されることが予測されます。その長期戦において転職を成功させるためには、担当アドバイザーとの良い関係性を構築することが大切であると考えます。良い関係性であれば、担当アドバイザーに対して求職者が求める条件を正確に理解してもらい、担当アドバイザーから企業に対してより強く求職者を推薦してもらうことができます。そのためには、こまめに担当アドバイザーにコンタクトをし、転職に向けた思いを語るなど、担当アドバイザーから見た求職者の優先順位を上げることも有効です。優先順位が上がれば、より条件の良い企業を優先して紹介してもらうことができ、担当アドバイザーからのサービスもより良くなるでしょう。

エグゼクティブの転職を成功させるために行うべきこと

転職における優先順位を決める

エグゼクティブ層の転職は、できる限り一度の転職で成功し、新しい会社でやりがいのある仕事を全うすることが望ましいと考える方も多いかと思います。入社後に後悔をしないためにも、転職の際に絶対に妥協できないこと、ある程度妥協できることなどを明確にした上で転職をすることにより成功できる可能性が高くなります。そのために、転職の条件として提示した多くのことに対し優先順位を明確にすることが大切です。

優先順位として考えるべき重要なことは大きく以下の6つがあると言えます。「給与」「役職」「仕事の内容」「就労時間」「福利厚生」「会社の将来性」です。多くの転職希望者は現在の給与に満足せず、転職をすることによる給与アップを狙います。したがって、転職後の「最低希望年収」は明確にしておく必要があると考えます。求職者の中には「とにかく急いで転職をしたいので給与は問わない」という人もいますが、そのことを企業側に伝えることにより、求職者が自分自身を安売りするように思われる可能性があるので注意が必要ですし、基本的には「給与」を下げての転職は避けるべきと考えます。

また、「役職」に関してもしっかりと考える必要があります。エグゼクティブ層の転職で現在の「役職」よりも下がることは基本的に無いと思いますが、どの「役職」を希望するのかを明確にし、さらにその上でその「役職」の責任と権限、部下の人数等は確認する必要があります。

「仕事の内容」に関しても入社後に問題にならないように事前によく確認しておく必要があります。業種及び職種が現在と同じ場合でも企業文化や会社の評価体制が変わり、入社後は人間関係の再構築も必要になりますので、具体的な仕事の内容に加え、出来る限りの社内情報を担当アドバイザーや面接を通して確認しておくべきでしょう。

「就労時間」に関しても担当アドバイザーに詳しく確認することを推奨します。役職者や一般社員の出勤、退勤時間はあなたの生活に直接関係することなので、よく確認しておくと良いと考えます。

「福利厚生」はあなたの家族にも関係することであり、保養所、レクリエーション、スポーツ施設などを確認し、家族にも情報を共有しておくと良いです。また、会社の保険や年金、有給休暇、有給休暇以外の休暇に関する確認及び有給休暇取得のしやすさに関しても確認しておく必要があると考えます。企業によっては有給休暇が取得しにくい文化の会社もまだ多くあります。

最後に、「会社の将来性」も非常に重要と考えます。たとえ大企業であっても、将来的に成長する分野のビジネスが無ければあなたの将来にも大きく影響を与えます。逆に小さな会社であっても革新的な企業であれば将来にわたり成長を続けることができます。現在、技術革新はめまぐるしく、あなたが希望する企業の将来性はよく見極めておく必要があると考えます。自分自身でもニュース等を通して動向を把握しておくのはもちろんのこと、担当アドバイザーからできる限り情報を収集するのも手です。

この6つの重要案件全てを満たした会社が見つかることは困難であると思いますので、優先順位を明確にし、あなたが妥協できるラインを決めておくことをおすすめします。

キャリアの棚卸を行い、自身の強みを明確化する

あなたの転職の方向性や条件を決めるため、また企業に提出される職務経歴書及び面接であなたの強みを企業側に伝えるために、「キャリアの棚卸」をしっかりと行う必要があります。

まずはあなたが「経験した職種、職務及び実績」を明確にします。例えば、職種としては「営業部長」、職務としては「海外顧客新規開拓、部下の育成、ビジネスプラン」、実績としては「欧州自動車会社向けビジネス〇〇億円受注」など、出来る限り具体的に棚卸をすることにより、あなたのこれまでの経験を明確に整理することができます。

次にあなたの経験から「自分自身の価値や強み」を整理します。例えば「営業職合計〇〇年、そのうち課長として〇〇年、部長として〇〇年、部長昇格時の年齢は37歳(通常45歳以降)、欧州ビジネスを5倍に拡大」など、あなたの強みや価値をより細かく分類し、アピールする材料を揃えておくことが大切です。

最後に、あなたの「経験」と「強み/価値」をもとに企業が求めるエグゼクティブ層の求人条件と照らし合わせ、あなたを最大限にアピールする方法を担当アドバイザーに相談し、専門的な目線でアドバイスを受け、決めていくと効果が出やすいでしょう。自分自身の強みを明確にするのと同時に、あなたが応募する企業の「価値」「企業理念」「経営方針」もよく理解し、あなたの強みをどのように企業の方向性に活用できるかをよく検討しておくと良いと考えます。

自身の強み、弱みを踏まえた求人選びをする

転職を成功させるためには、希望する企業に採用されるかどうかだけではなく、転職した企業であなたの経験、強み、価値が存分に発揮できるかどうかが非常に重要になります。

そのためには、あなたが応募しようとする会社の希望する条件を十分に確認及び理解し、あなたの価値や強みだけではなく、弱みに関しても冷静に洗い出し、求人会社の選択をすることが大切です。企業側は「STARフレームワーク」をベースにあなたの経験、強み、価値を知ろうとする可能性が高いため、面接時の対策も含め、STARフレームワークで自分自身の経験をまとめておくことが有効です。STARフレームワークに関して、簡単に説明します。

Situation 状況 現在の立場、権限、これまでに対応したプロジェクト内容、プロジェクトの規模(人数など)

Task 課題 プロジェクトの重要課題は何であったか

Action 行動 どのように課題を分析し、判断し、解決策を検討したか

Result 結果 その結果プロジェクトはうまくいったか 具体的な結果は

このSTARフレームワークに沿ってあなたのこれまでの経験を整理し、あなたの強みと弱みを再認識することが大切です。又このSTARフレームワークで整理した実績が、応募する企業の職務にマッチするかどうかの判断として活用することもできます。

まとめ

エグゼクティブ転職を成功に導くためのポイントをご紹介してきました。

エグゼクティブの転職は、通常の転職とは異なり、企業側も転職者側もより一層慎重にならざるを得ません。自身の活躍のフィールドを広げる為にも、効果的に転職エージェントを活用するなど、エグゼクティブならではのアプローチで転職を成功させていきましょう。