はじめての転職活動で、準備しておくべきこととは?

日本では、長らく終身雇用が美徳とされてきた歴史があることから、転職活動に慣れている方はまだまだ少ないといえます。では、はじめて転職活動を行うにあたり、気をつけるべきことや準備しておくべきことはどのようなことでしょうか。詳しく解説します。

大原則は、次の転職先が決まっていない状態で、会社を辞めないこと

人によっては転職活動に時間がかかることもありますので、生活面を考えても、次の転職先が決まるまでは会社を辞めないことをお勧めします。

精神的、金銭的な余裕を持つこと。その方が、納得できる転職先を見つけやすい

まずは、現在在籍している会社の退職に関するルールを事前に確認しておくことが大切です。会社の就業規則や退職金のルール等を把握し、転職にあたり年金などを切り替える際に必要なことなどを洗い出しておきましょう。
「辞めずに転職活動を行うこと」が難しいと感じる方もいらっしゃいます。長年勤めてきた会社に嘘をつくようで罪悪感にさいなまれてしまう方や、業務が忙しすぎてなかなか転職活動の時間が捻出できないといったお声もよく聞きます。しかしハイクラスの転職の場合、次項で述べるようなリスクも伴うことから、最善の結果を得るために、すべきことの優先順位を見失わないようにしてください。

どうしても先に退職する場合、半年〜1年程度、暮らしていける貯蓄があるかを確認

若手人材の場合はポテンシャルでの採用も多いため、比較的早く内定が出るケースが多いです。しかし、ハイクラス人材の場合、応募先企業の選定や、経営層を含めた面接プロセスに時間を要することが多く、さらに双方で諸条件が納得できるかなどを考慮すると、転職活動全体として期間が長くなることが想定されます。
仮にスキル・経験がマッチしていても、社内の年齢構成や組織的な事情があるケース、年収・待遇面が折り合わないケース、逆にオーバースペックすぎて自社では物足りないのではと判断されるケースなど、ピンポイント採用であるほどマッチングの難易度が高くなります。特に年収が高い方や大手企業で勤務している方で、年収を下げることを許容できない場合、次に応募する企業が相当絞られてしまうので注意が必要です。
早期退職制度などに応募してから次の転職先が決まるまで1年、人によっては数年かかったというケースも珍しくなく、「こんなはずではなかった…」という声を聞くことも多々あります。どうしても先に退職する場合は、生活面で不安を感じることがないよう、半年〜1年程度は暮らしていける蓄えがあるかを確認してから決断してください。

転職の準備…目的と条件を明確化。何を得たいか、何を譲れるかを言語化する

転職活動を始める場合、具体的にはどんな準備をしていけばいいのでしょうか。順を追ってご説明します。

あなたにとって納得できる転職とは?その時のキャリア・生活面は?

まずは転職の目的を整理しましょう。現状の不満を解消することを目的としてしまう方も多いですが、これは注意が必要です。逆に前職では当たり前に保有していた環境を転職先で維持できなければ(例:前職にはアシスタントがいるが、転職先ではすべて自分で対応せねばならない等)、また別の不満が生まれることもあるからです。現状保有しているモノ・こと、今後叶えたいこと、譲れること、譲れないことなどをまずは整理してみましょう。

転職において年収にこだわる方も多いですが、こちらも注意が必要です。特に大手企業に勤務している年齢の高い方は、現在の会社で長期勤務をしてきたからこそ保証されている給与であり、もしそこにこだわるのであれば、辞めない方が良いケースもあります。
お勧めなのは、ご自身が生活面において最低限必要な年収はいくらなのかを把握しておくことです。年収以外の面でも、次のキャリアの可能性について冷静に判断できるようになります。

ヘッドハンターや社外で頼れる人に会い、自身の転職市場価値を確認する

転職市場を広く把握したい方は、総合型の転職エージェントに相談するのがお勧めです。特定の業種・職種に限定せず、幅広い求人を取り扱っているため、異業界の情報なども得ることができます。
逆に、特定業界の深い情報やニッチな求人案件について知りたい方は、専門特化型の転職エージェントに会うのがお勧め。また、転職したい業界に友人知人がいる方は、相談やヒアリングをお願いするのも有効です。

自身のキャリアを振り返り、自身の魅力や貢献ポイントが伝わる職務経歴書・アピールをまとめる

社会人として年次が高い方、これまでに定期的にキャリアを見直す時間を取ってこなかった方は、自身の強みについて具体的に把握できていないことがよくあります。
自分のアピールポイントを詰め込んだ魅力的な職務経歴書を作成するには、時間がかかるため、数日〜数週間かけて仕上げていく予定で進めていきましょう。

刻々と状況が変動する転職市場。希望にかなう案件は稀なので、動くときには一気に動くことが大切

今後もしばらく引く手あまたと言われるAI技術者などは別として、企業ニーズは3か月〜半年で入れ替わっていきます。転職に向けて1年前から調べていても、いざ転職活動をする際には状況は変わっていますし、特にハイクラス人材の場合、転職活動に時間を要するだけでなく、内定後も入社までに数か月かかることもあります。
転職を希望する期限を決め、そこから逆算して、いつまでに応募や内定を得ているべきかなど、事前に大枠のスケジュールを組んで、頭に入れて動きましょう。また、希望にかなう案件と出会えることは稀なので、動く際は一気に進めてしまう方が長期化しにくいです。

あなたの転職に反対する人がいそうな場合、対処方法を準備しておく

ハイクラス人材の場合、次の転職先が決まったとしても、退職交渉などで強い反対にあうことがありますので、事前に準備をしておくことが大切です。

自社から強い引き留めにあう恐れが強い場合

ハイクラス人材は、現在の在籍企業でも重要なミッションを担っているケースが多く、強い引き留めにあうことも少なくありません。できるだけ円満に退職したいと考える方も多いと思いますので、まずは後任の育成や権限移譲を進めるなど、自身の退職によって問題がないように整えておきましょう。退職交渉においては、最終的にきっぱりとした意思表示をすることが重要です。

家族の反対による転職断念も多数

大手企業からベンチャー企業への転職や、移住が必要な転職、大幅な年収ダウンでの転職の場合など、家族からの強い反対にあって転職することを止めざるを得なくなるケースもあります。
特に転職活動をしていることを家族に知らせていなかった場合に、いざ内定を得た後、家族に打ち明けたところ、大反対されたということも少なくありません。ご自身の転職が一人だけの影響範囲ではない場合、予め相談しておくことをお勧めします。
また、家族に転職による経済的な不安を感じさせないよう、不安を払しょくできるような材料をそろえておくことは前提です。ご自身の仕事にかける情熱といった精神的なやりがいなどについて先に話しておくことで転職への理解を得られやすくなり、反対者が味方になることもあります。